「ジェレミー・クラークソン 農家になる2」は不屈のドキュメンタリー


先日Amazonプライム・ビデオにおいてジェレミー・クラークソン 農家になる2【PR】が配信されました。今回のシリーズはジェレミーの直前の暴言によって配信が危惧されていたようですが、なんとか約1年半ぶりに新シーズンの配信となった模様です。

「ジェレミー・クラークソン 農家になる」は秀逸なドキュメンタリー
シーズン2は前回からの続きで、彼の農場で牛を買い付けるところからはじまります。また今回の映像には牛の排泄や出産シーンなどが含まれるので(前回は羊)、苦手な方は注意が必要かもしれません(とは言ってもそれらは畜産業における日常風景でもあります)。

物語には2020年から発効したBrexit(ブレクジット:欧州連合離脱)により、欧州から安い農産物が輸入されて英国農家が打撃を受けた背景があります。加えて英国政府は農家の頼みの綱である補助金を打ち切り、その代替案を提示すると明言しながらも収録時点において具体案は何も示されておりません。

さらにアナグマを媒介とする牛結核によって畜産農家が廃業の危機に直面しているにもかかわらず、アナグマは保護動物のため駆除が許可されません。英国は人間より動物や自然環境を優先するお国柄なので仕方がない一面はありますが、これらはまるで悪政に苦しむ江戸時代の農民の様相でございます。

そういった状況のなかでも、ジェレミーは地産地消を目指したレストランを開業すべく奮闘をはじめます。しかしそこには地元民との軋轢(あつれき)や、自治体の嫌がらせとも言える規制が立ちはだかります。それでも彼は仲間と共に目標に向かって突き進むといった内容となっています。


エピソード中に登場する自動牛体ブラシは、牛のお気に入りのブラシとして現地の農家では利用されているようです(円換算で約15万円~)。日本においてもこのブラシの有用性は下記の通りにに立証されているようです。

自動牛体ブラシの有用性
参考までにDiddly Squatと名付けらた農場は、オックスフォードから北西に車で50分の距離に位置しております(ロンドンからは約2時間)。そしてオックスフォードは、1996年2月に私が初めて仕事で訪れた英国の都市でございます。

当時、ローバー社の技術関係の翻訳に携わっていた私は当地の工場に出張いたしました。仕事はそれほど面倒な類のものでは無く、イギリス人には高度な電子制御は無理ですから諦めましょうみたいなお話だったと記憶しています。

そこで現地の技術者から、車のリモコンキーの有効距離を伸ばす方法の説明を受けました。それはリモコンキーを頭のこめかみ部分に当ててスイッチを押すと、長距離からでも車のロックの施錠・解錠が可能というものでした。


この現象は後年ジェレミーが司会を務めていた自動車番組で上記のように紹介され、その後日本でも話題になりました。現地技術者によるとこれは1995年にインドネシアの工場で発見されたものの、何の役にも立たない技術であると笑っていました。

本題に戻ると今回のシリーズも英国の田園風景が美しく(晴天に限る)、それも含めて英国に出張される方には必見のドキュメンタリーでございます。そして家畜には情が移るので名前を付けてはいけないということを学習いたしました。

【関連記事】

メア・オブ・イーストタウンはアメリカの現代を映し出す物語

ココをClick→記事タイトルとURLをコピー

コメント

当ブログの内容の流用はご遠慮ください

© 2023 やさぐれスタイリスト

過去記事

もっと見る