スーツの袖からシャツを常に出す必要は無い

国内におけるファッションのルールとされるもののなかには、出典が不明であったり現実的では無いものも存在します。特にそれはスーツ紳士服業界で多く見られ、それらを気にすると際限無く悩む場合もあります。

スーツポケットのフラップ(ふた)は常に外に出す
そしてそのようなルールのなかでも、スーツ着用時にはシャツの袖口が1~2cm見えるようにするといったものがあります。確かにそのようにすると見栄えが良いのですが、常に見えるようにするのはあまり現実的では無いと思われます。

なぜなら1~2cmなどという長さは、電車の吊り輪に掴まれば簡単にスーツの袖に隠れて元に戻らないケースがあります。さらに近年のスーツは袖が細いので、その中でシャツの袖がたくし上がってしまうこともあります。

そのような意味においては、袖をはじめとした全体的に緩いデザインの昭和・平成時代のスーツでは可能であった着こなしと言えるかもしれません。それはシャツも同じことが言えるので、現代では難しい場合が多々あります。

メンズ スーツスタイル
上記のスーツは購入後に袖丈を現代の適正と言われる長さに詰め、オーダーシャツも同様にミリ単位で調整してあります。とは言ってもこれは撮影用にシャツの袖口を意図的に引っ張り出しています。

つまりスーツのジャケットとシャツを適正なサイズで調整すると、最大でも1~2cmしかシャツの袖口を出せないことになります。無論これは汎用スーツの場合であり、ドレス用途ではそれ以上にシャツの袖口を見せるのが一般的です。

メンズ スーツスタイル
さらに仮にシャツの袖口が出たとしても、今度は腕時計の問題が発生します。近年の腕時計は本体もブレスレットも分厚いので、多くの場合上記のようにシャツの袖口が腕時計で止まってしまいます。

これをNGと言われましても、ROLEXをはじめとしたすべてのスポーツウオッチはシャツの袖口には入りません。そしてこれがスーツスタイルにはスポーツウオッチより、革バンドの薄いドレスウオッチのほうが適している理由でもあります。

スーツと腕時計
それでも上記のように袖カフスボタンを外せば、厚めの腕時計でもシャツの袖口には入ります。しかしながら腕時計のためにシャツの袖ボタンを片方だけ外すというのは理解されにくく、ボタンの留め忘れに見える場合もあります。

参考までに上記のシャツは左袖口の周囲長を腕時計用に1cm長くしてオーダーしたものの、袖ボタンを留めるとスポーツウオッチは簡単に袖口から出てしまいます。2cm長くすることも考えたのですが、その場合は左右の袖口が不均等に見える理由でNGとなりました。

カジュアルシャツのメンズスタイル
その一方でカジュアルスタイルにおいては、長い袖のシャツの先端を外側に折り返す手法も存在します。その折り返した部分でテーラードジャケットの袖の先端を止めることにより、多少なりともエレガンテに見える場合もあります。

いずれにしてもこのルールは紳士服の起源と言われる英国の影響と考えられます。それは国内紳士服業界において耳にする「お手本となる英国のチャールズ国王の着こなしは……」というフレーズでも感じられます。

しかしそもそも同国国王は電車の吊り革を持ちませんし、カバンをご自身で持つこともありません。そのような理由から服装が着崩れすることは一般の方々より少ないので、あまり比較対象とはなり得ない印象です。

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