メンズファッション誌の多角化戦略は苦戦中?


発行部数低迷によって年4回発行の季刊誌となったMEN'S EXや不定期刊行となったメンズプレシャスに続き、直近の月間平均発行部数が23,200部(全盛期の半分以下)となったメンズ クラブも2023年から発行回数が年4回になることが先日発表されました。

雑誌「メンズクラブ」が発行回数を年10回から4回に - WWDJAPAN
ファッション誌業界の人々は虚栄心で満たされているのでこういった場合は「ウエブ発信を含む多角化戦略の一環」などと強気の説明をしますが、発行部数低迷が理由であることは誰の目にも明らかでございます。

そのウエブ発信にしても、ファッション誌に限らず新聞などのメディアも未だに紙媒体の代替とはなっていません。それはGoogle主導によって確立されたウエブ広告の単価が、紙媒体と比較して極端に低いことが一因であると考えられます。

例えば月間数億円の広告収入がある雑誌でも、完全にウエブ移行するとそれが10分の1以下になる可能性もあります。したがってウエブに移行するにしても、並行して紙媒体の発行は残したいところであります。

参考までに月間1,000万PV(ページビュー)の雑誌の場合、その広告収入のすべてをGoogleアドセンスに依存すると数百万円程度しか得られません(大手企業がウエブ広告収入を柱とするのであれば月間億単位のPVが必要)。

加えてGoogleアドセンスは広告費総額をPVや再生回数に応じて分配するシステムなので、参入者が多くなると必然的にそれらの単価が低くなります。近年のYoutubeではこれが影響して配信者の収入も減少傾向にあります。

世界文化社のWEBメディア「MEN'S EX ONLINE」が過去最高PVを更新、昨秋に続き月間2,000万PVを突破
そして広告収入などの代替えとして、雑誌のオンラインショップを開設する試みも行われていますがあまり芳しくないようです。上記の月間2,000万PVを豪語するMEN'S EXも「meSTORE」を2020年11月に開設しましたが、2022年5月で終了しています。

同様にSafari(89,133部:前年比▲13,667部)やLEON(37,667部:同▲9,666部)もオンライン ショップを展開していますが、アパレル販売は競争が激しい上に専門外ということを考慮すれば、発行部数減少に伴う減収を補うほどの収益を上げているとは思えません。

「ONE LEON」始動 『LEON』、富裕層向けフルファネルに | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議
さらにLEONは2021年12月から月額5,000円で上記の有料サービスを開始しました。しかし2022年9月時点で60人程度の参加者では、成功と呼ぶには程遠い印象です。これは有料会員の特典が、まったく魅力的では無いことも影響していると思われます。



結局のところ現時点においてこれまでの減収の代替となるものは無いようです。とは言っても私も4年ほど前からメンズ ファッション誌は購入していません。理由はいずれの雑誌も似通った新商品を紹介する内容で、興味を惹く特集も見かけなくなったからです。

それでも部数減少に歯止めをかける(あるいは増加させる)方法は数多く残されています。例えば紙面で紹介する商品と並べてQRコードを配置し、スマホから直接商品の販売ページを表示可能にするハイブリッド型もひとつの方法かもしれません。

少なくともあまり読み応えが無い文章量を減らし、代わりに文字を大きくして老眼の方々にも読みやすくするといった紙面改革は容易な方法であると思います。そして雑誌の未来を含むそのすべては、編集長の手腕に委ねられているのであります。

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