40代向けメンズ ファッション誌発行部数の過去10年間の推移



過去1年のコロナ禍により、雑誌全般の売り上げにも今後何らかの影響が出ると思われます。例えば美容室や病院などの待合室の雑誌は不特定多数の人間が触る上に消毒が煩雑であり、経費削減も兼ねて雑誌を撤去する施設が今後増加する可能性は否定できません。

ファッション誌は出版物とは言っても小説とは異なる広告ビジネスであります。発行部数より広告収入減少のほうが財政的には厳しくなります。しかし発行部数の減少により、スポンサー企業や広告単価の減少を招く結果となります。

過去10年の40代向けと考えられるメンズファッション誌の発行部数は、2014年頃がピークであったと思われます。確かにその頃は雑誌主催のパーティーの企画なども多かったように記憶しています。そしてその後の6年間で総発行部数は半減しています。

発行部数の減少は、近年のビジネス スーツ市場の縮小も遠因と思われます。それにコロナ禍が追い打ちをかけ、世界で最もファッション マナーが好きな日本人もビジネス ファッションどころでは無くなりました。



Safariの発行部数が他の雑誌と比較して突出している理由のひとつとして、白人男性がお好きな女性および映画ファンの存在を推測しております。それにしても未だに10万部を超える圧倒的な強さでございます。

LEONもSafariと同じく白人モデルを起用しております。加減を知らないゴージャス路線には独自性があるものの、近年は読者層の高齢化に伴ってそれらが時代遅れとなっている印象です。

UOMOはファッション スタイルが現実的なので、安定的な読者層の存在が推察されます。2016年からは減少しているとは言っても急激な変化は見られません。

MEN'S CLUBは2020年のコロナの影響を最も受けたと見られます。それでも2019年までは発行部数の変動が少なかったので、一時的な減少の可能性もあります。

MEN'S Preciousは女性版のPreciousの兄弟誌であり、また年4回発行の季刊誌ということもあって月刊誌とは単純比較ができません。割合で言えば過去1年間の減少幅が最も小さいのは同誌であります。

MEN'S EXはスーツ スタイルの内容が中心であり、近年のビジネス スタイルのカジュアル化が直撃した模様です。2021年中には1万部を割ることが予想され、そのあたりの判断も働いたのか今年から年4回の発行となりました。

ちなみに雑誌は圧倒的な情報量や一冊で完結するといった利便性があり、断片的な情報しか提供できないウエブとは性格が異なります。またウエブの雑な記事より権威性もあるので、一定数のレベルで存在し続けると思います。

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